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在庫調整による景気悪化であれば六カ月あるいは一年ほどで景気が回復する可能性は高いが、人員・設備の調整となれば景気悪化が二、三年とさらに長期化するのは避けられない。
逆に、景気がよくて在庫が適正水準を下回るようになれば、企業は将来の需要増を見越して設備投資や一雇用増に動き出す。多くの企業がこうした動きを強めれば、景気はさらによくなる。
景気の動きを観察する際には在庫の動きに注意しよう。最近になって、在庫管理技術が発達したので、在庫の景気に及ぼす影響が小さくなったという議論がよく行なわれる。
しかし、経験によるとこの議論が正しかったことはまずない。ただ最近は電機、精密などの加工型産業で「ベルトコンベア方式」からひとりで一つの製品を組み立てる「セル生産方式」への転換が進んでいる。
セル生産方式の長所は、製造工程で仕掛品在庫や製品在庫を適切に調整可能なことである。これがうまくいくと、生産コストを削減する上で大きな成果を挙げることができる。
鉱工業生産・在庫・出荷指数は、経済産業省が速報値を一カ月遅れ、確報値は二ヵ月遅れで発表する。ブレが少なく正確なために景気判断にとって重要視されている。
法人企業統計景気がよいか悪いかを判断する際に大事なモノサシが二つある。GDP(国内総生産)の増減(経済成長率)と企業収益である。
経済全体(マクロという)の好不況はGDPの動きを見るとわかる。経済が好況であればGDPが増えるし、不況であればGDPの増え方が少ないか、あるいは減少する。
しかし、いくらGDPが増えても、企業収益が増えなくては個別企業(ミクロという)にとって好況とは言えない。逆にGDPが増えなくても、企業の収益が増えれば個別企業にとっては好況と言える。

このようにマクロとミクロが一致することもあるし、一致しないこともある。一般には、マクロ経済が好調であれば、ミクロ景気もよい。
マクロ経済が悪ければミクロ景気も悪い。経済にとって望ましいのはもちろんマクロとミクロが一致して好調なことだが、最近はこうした理想的な状況がなかなか生じない。
2006年の現時点では、GDPの伸びはせいぜい2%程度であるがへ企業の売上高が増え、収益は過去最高を記録している。つまりマクロ景気は必ずしも好況とは言えないが、ミクロの景気は業種によって明暗はあるものの、平均的には絶好調である。

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